済生会和歌山病院

■心臓血管外科

科の特徴スタッフ紹介対応疾患主な検査・医療設備実績

●対応疾患

【動脈疾患】
@下肢閉塞性動脈硬化症
「動脈硬化で足がくさってくる!」
動脈とは酸素をたくさん持った血液を心臓からからだのすみずみにまでおくるための血管です。この動脈がいろんな要因によって硬くなってくることを動脈硬化といいます。硬くなるだけならいいのですが動脈壁が徐々に内腔に向かって厚くなり(主に血中の脂肪成分が付着してくる)血液の通る道を狭くするとさまざまな障害をきたします。足の動脈がつまってくる(「閉塞性動脈硬化症」といいます)と以下のような症状がでてきます。
第一段階:足が冷たく感じる、第二段階:ある距離を歩くと必ず足がだるくなる、第三段階:じっとしていても足が痛くなる、第四段階:足の先から細胞が死んでくる(“くさってくる”)。
第一、第二段階で発見されれば薬を飲むことや運動をすることで進行を遅らせることができますが、第三段階や第四段階までくるとできるだけ早期に足の動脈の手術をしなければ膝や太ももで足を切断しないといけなくなることもあります。足の動脈の手術というのは狭くなった、またはつまった部分の動脈を飛び越して新たな血液の道筋をつける「動脈バイパス術」です。この手術がうまくいくとどんな治療でも治らなかった足先の痛みや傷がみるみるうちによくなり、退院して日常の生活にもどれる、買い物や旅行にもいけるようになります。ですからこの病気は早期に発見して適切な治療を受けることが一番です。気になる方はいつも診てもらっている先生に相談して必要なら血管の専門病院に紹介してもらってください。しかし一番重要なことは動脈硬化を進行させないような日々の生活様式であることもお忘れなく。

A腹部大動脈瘤
「知らないうちにおなかの中に爆弾が!」
動脈硬化では細い血管はより細くなりつまってくるのですが、太い血管では内腔がだんだん拡がってくることがあります。おなかの中の大動脈が拡張してくる腹部大動脈瘤がその病気です。膨れてくるとどうなるか、風船をどんどん吹いて膨らませていくこと想像してください。膨らむにつれて壁が薄くなり最後には破裂してしまいます。動脈瘤も一定の大きさ以上になると破裂して血液がおなかのなかにでてしまい血圧が低下して、放っておくと死にいたります。
この病気がむずかしいのは破裂するまでほとんど症状がでないので知らず知らずのうちに大きくなっていることです。たまたま他の検査で見つかる人は幸運で、無症状のうちに手術をして膨らんだ血管を人工血管に取り替えることで破裂を未然に防ぐことができます。無症状のうちにこの手術をするとほとんどの方が約10日間で元の生活にもどれるのですが、破裂してからでは3分の1ぐらいの人しか死を免れることができません。また、この病気には同じ動脈硬化によって起こってくる心臓の病気(狭心症)の合併が非常に多く(当院では約7割)、動脈瘤とともに心臓のチェックも必要となってきます。しかし逆に言うと動脈瘤がわかったおかげで将来発症するかもしれない心臓病も事前に発見され治療が開始できる、ということになります。まさに早期発見で命が助かる病気です。

B急性四肢動脈閉塞
「突然足に血が通わない!」
動脈硬化がある方はもちろん全く動脈硬化がない方でも不整脈や心疾患のある方は突然手足に血が通わなくなり激しい痛み、冷感、しびれなどが起こってくることがあります。これは血管の中でできた血の塊が細い四肢の動脈をふさいでしまうからです。不整脈や弁膜症のある方は知らず知らずのうちに心臓の中に血の塊ができており何かの拍子にこれが血管内に流れ出して手足の動脈を詰めてしまうこともあります。 この疾患はつい昨日まで普通に生活していた方にも突然起こることがあり、早急にこの血の塊をとって血流を再開しなければ手足が壊死におちいって「腐って」しまうばかりか下手をすると命の問題になることもあります。できれば発症数時間以内に血管専門医にかかって緊急手術をおこなうようにしなければなりません。また不整脈や弁膜症のある方は普段から専門医にかかり抗凝固薬などを服用して予防しなければなりません。
当科では年間約80例の動脈手術を行っております。これ以外にも血管内からカテーテルを用いて狭窄や閉塞を広げる血管内治療を約30例行っております。また手術以外にも有効な方法がある場合は積極的にそれらを組み入れて患者さんが一番安全で効果的、かつ満足していただける治療を提供できるよう努力しております。新しい治療法も積極的に取り入れ、血管新生療法、遺伝子治療、LDL吸着療法、Maggot(ウジムシ)療法などもそれぞれの患者さんに対し適応を検討し実施しています。当院では心臓血管外科だけでなく内科や循環器科、脳神経外科、腎センターとも密に連絡をとり、動脈硬化による疾患をすべて予防、治療する体制をとっています。
※動脈疾患に関する詳細は下記よりPDFファイルでご覧頂けます。
閉塞性動脈硬化症の患者さんへ
動脈硬化症の患者さんへ
腹部大動脈瘤の患者さんへ
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【静脈疾患】
下肢静脈瘤「足のみみず腫れは放っておいても大丈夫?」
足の血管がミミズのように浮き出てきて足のだるさやこむら返りがおこりやすくなることがあります。このような病気を下肢静脈瘤といいます。この病気は血液が足から心臓にもどっていく静脈という血管の異常で動脈は通常は正常です。従って静脈瘤によって足が「くさってくる」ことはまずありません。静脈瘤は見た目が悪いことのほか足のだるさ、むくみ、かゆみ、こむら返り、色素沈着などがおこります。足がくさってくることはないといいましたが、重症になるとむこうずねの部分に潰瘍ができて治らない、ということもあります。これらの症状はすべて静脈の機能不全で足に血液がうったいするためにおこってくるものです。立ち仕事の多い人、妊娠、出産後の女性などに多いのが特徴です。軽症なら足のむくみをとるためのきつめの医療用ストッキングがありますのでこれをはいておれば症状は楽になります。しかし中等度以上の症状の方はなんらかの手術を受けないと治りません。当科ではできるだけ患者さんの日常生活の負担にならないように日帰りの手術で治療するようにしておりますが、重症の方には血管内視鏡補助下弁形成術という新しい手術法も導入して成果をあげています。長年むこうずねに潰瘍ができているが各種治療でもなかなか治らない方もこれらの静脈疾患が隠れている場合があります。そのような方はかかりつけのお医者さんとよく相談されて受診をご考慮ください。
※ 静脈疾患に関する詳細は下記よりPDFファイルでご覧頂けます。
下肢静脈瘤の患者さんへ
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【リンパ管疾患】
下肢腫脹の原因のひとつにリンパ管の閉塞などの疾患があります。毎週火曜日(午前)に、すさみ病院の高垣医師が非常勤で外来を行い、当疾患を担当します。理学療法士の岩田氏と共にリンパドレナージなどの複合理学療法を行っています。症例によってはすさみ病院とていけんし、入院でリンパドレナージの指導も行っています。
四肢リンパ浮腫に対する治療法
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