済生会和歌山病院

■脳神経外科

科の特徴スタッフ紹介対応疾患主な検査・医療設備実績

●対応疾患

次の症状のある方は脳神経外科の診察を受けて下さい。

症状が繰り返し出現したり、急激に悪化するようであれば夜中でも救急受診して下さい。
次のような病気や頭部外傷の可能性があります。

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【脳梗塞】
動脈硬化や心臓病(弁膜症や不整脈など)が原因で脳血管が閉塞しておこります。5分以上血流が全く途絶えると神経細胞は死んでしまうといわれています。発症3時間以内で、条件を満たせば超急性期血栓溶解療法を行っています。中には片麻痺や失語症などの神経症状が劇的に改善する例もあります。これまでマイクロカテーテルによる経動脈的局所血栓溶解療法を行っていましたが、2005.10以降、静脈投与できる血栓溶解剤が脳梗塞治療に認可され、点滴注射できるようになりました。脳梗塞急性期治療とリハビリテーションを行い、慢性期においては再発防止のためにカテーテルを用いた脳血管内治療法(PTA、ステントによる血管形成術)および他の血管外科的治療(CEA、バイパス手術)を行っています。

【一過性脳虚血発作】
『一時的に手足が麻痺する!突然片方の目が見えなくなる!』
一時的に手や足の力が抜ける、片方の目が突然真っ暗になり見えなくなる、突然、思っていることを喋る事ができなくなる。このような症状が10分程で治ると、疲れかなと思いそのまま放置することが多いようです。このように一時的に麻痺などの神経症状が出ることを一過性脳虚血発作と呼んでいます。脳血管が詰まりかかっている時におこる脳梗塞の前駆症状です。警告(一過性脳虚血)のサインが出ているのに放置しておくと脳梗塞になってしまいます。

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【脳出血】
突然、手足のマヒやしびれ、言語障害などが出現し、多くは頭痛や吐き気を伴います。
高血圧症などが原因でおこります。治療法は血腫除去術ですが、残存する神経機能を損なわないように考案された定位脳手術法を用いて局所麻酔で行います(駒井式定位脳手術法)。CTスキャンで血腫の位置を正確に計算し、骨に一円玉ほどの小さな穴をあけて血腫吸引除去を行います。血腫が小さく点滴治療だけですむ場合もあれば、血腫が非常に大きく生命にかかわる場合は全身麻酔下に開頭血腫除去を行うことがあります。
CT検査画像
・左:CT検査(白い部分が血腫)
・右:駒井式定位脳手術法による脳内血腫除去

【クモ膜下出血】
突然の激しい頭痛、嘔吐で発症します。まれに風邪と間違われるような軽度の頭痛のこともり注意が必要です。殆どの場合、脳動脈瘤の破裂が原因で起こります。
治療法はほとんどが開頭手術によるクリッピング術で、手術用顕微鏡を用いて動脈瘤の頚部をクリップで止める根治術を行います。クモ膜下出血でクリッピング術ができた例の約60%は日常生活上で自立できる程度以上に改善可能です。25%は片麻痺などの後遺症が残り、日常生活上自立困難で何らかの介護が必要となります。約15%は寝たきりか最悪の結果になります。  もう一つの治療法は、血管内手術法によるマイクロカテーテルを用いたコイル塞栓術です。近年、コイル塞栓術が次第に数多くされる傾向にあります。これはクモ膜下出血により痛んだ脳実質にさらなる侵襲を加えることなく又、動脈瘤周囲の血管(穿通枝)を損傷する事の少ない治療法ですが、非常に熟達した技量が要求されるのと効果の即効性、確実性においてまだ問題があります。また、開頭クリッピングできない症例があるのと同じようにコイル塞栓術ができない例もあります。開頭クリッピング手術にとって変わる時代がくるかもしれませんが当院ではクリッピングなどの直達手術が困難な場合に血管内手術法をとるようにしています。

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【未破裂脳動脈瘤】
脳血管にできた瘤(こぶ)で、これ自体が神経症状を出すことは極めて希ですが、破裂することがあります。破裂すればクモ膜下出血を起こし生死に関わります。脳ドックやたまたま撮ったMRI検査で見つかることがあります。破れる確立は1年あたり約1%前後といわれています。20年で20%〜の確立です。出血する前に治療すればいいのですが、治療により合併症がでることがあります。どうするかは十分に説明を聞き、自分自身で決めなければなりませんが、十分理解し、納得するまで何度でも説明いたします。セカンドオピニオンを求めるのもいい方法です。
脳動脈瘤の画像
・左側:脳動脈瘤
・中央:動脈瘤クリップ
・右側:術後

【脳腫瘍】
良性から悪性まで、または癌の転移などもありますが、発生場所に応じて様々な神経症状が出ます。手足のマヒやしびれ、言語障害、視力・視野障害、頭痛などが生じ、進行性に悪化していくのが特徴です。進行が遅い良性腫瘍の場合は気づかないことも多く、「なんとなく見えにくくなってきた」、「最近、耳が遠くなった」慢性の頭痛があり、「毎日頭痛薬を服用している」などの訴えがあれば専門医の受診を勧めます。
良性腫瘍、悪性腫瘍に関わらず、患者さんやご家族の希望にできるだけ沿えるように患者さんの生活の質を考えた治療を行います。
脳腫瘍
・左:手術前/右:手術後

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【顔面痙攣、三叉神経痛】
顔面神経や三叉神経が脳幹部で脳血管により圧迫されて発生する神経血管圧迫症候群と呼ばれるもので、直接命に関わるものではないが、日常生活で非常に不便を強いられる非常に悩ましい疾患です。開頭手術により神経血管除圧術を行います。

【正常圧水頭症】
『だんだん足が上がらなくなり歩きにくい!?』  こんな悩みのある方はいませんか? 76歳の男性の例です。3ヶ月程前から、膝が開き小刻みなすり足歩行となり、歩きにくくなってきました。まるで鳥もちでもくっついているかのように足の裏が地面にへばりついた様に上がらなくなり転びやすくなってきたのです。だんだん、自発性がなくなり口数も少なく、物忘れもひどくなり、小便も失敗するようになってきました。 歩き方だけを見ればパーキンソン病に似ていますが、正常圧水頭症という病気です。多くはくも膜下出血や重症の脳出血などの後や脳挫傷、髄膜炎の合併症として発生することが多いのですが、原因がよく分からないこともあります。原因が分からない場合は特発性正常圧水頭症と呼んでいます。これは手術すれば改善が期待できる治療可能な病気です。
水頭症の画像
・左:手術前/右:手術後(脳のシワが出現)

【慢性硬膜下血腫】
『頭が重くかぶさった感じで、フラツク!』 世にお酒の好きな方は多いようですが、ついつい深酒してどこで打ったのか全く覚えが無いのに手足や頭に打ち身や擦り傷を作っている方は要注意です。 67歳男性の例です。1週間前から、朝起きた時から頭が重く、歩行時のふらつきを自覚するようになりました。2ヶ月前、酒に酔って自転車で転倒し頭部打撲したことがありましたが、それを忘れてしまっていました。頭重感とフラツキが続き、歩きにくくなってきたので病院を受診し、頭部CT(コンピューター断層)で慢性硬膜下血腫と診断されました。頭蓋内に血が溜まって脳を圧迫しており、手術が必要といわれました。比較的簡単な手術を行い、翌日には頭重感もフラツキもとれ、1週間で退院できました。 慢性硬膜下血腫は、脳を包んでいる硬膜の下に出血し慢性的に血の溜まりができるもので、放置すれば危険ですが手術で治ります。症状は頭重感やフラツキで、頭部打撲が原因でおこることが多く、高齢者やお酒の好きな方がなりやすい傾向にあります。ただし、頭痛を訴えない方や頭部打撲の既往のはっきりしない場合には、脳梗塞と間違われやすいこともあり注意が必要です。
・下:CT検査
CT検査の画像

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【慢性頭痛】
日本人の約2000万人近くが頭痛持ちといわれています。それらの殆どは命にかかわったり、大事に至る事はないのですが、中にはくも膜下出血に代表される脳血管障害や脳腫瘍、髄膜炎などの重い病気の場合があり鑑別することが非常に大事です。圧倒的に多いのは片頭痛や筋緊張性頭痛などの機能性頭痛と呼ばれるものです。命に別状なくとも日常生活や社会生活の中で支障があれば、その人にとっては大問題であります。片頭痛に対しては、トリプタン系薬品が開発されて片頭痛患者の特効薬として使用され今日に至っています。この有効率は70%程度と報告されています。この機能性頭痛は筋緊張性頭痛のほうが片頭痛より多いとされていますが、筋緊張性と診断されたものの中に、実は多くの片頭痛があり適切に治療できていないということもいわれています。適切な診断、治療がなされない場合、患者さんの苦痛は全く良くならないばかりか、さらに薬物性頭痛の問題が新たに生じて、より治療困難な事態を招いてしまいます。頭痛の原因になっている病気を見逃さないだけでなく、頭痛に悩まされることなく生活できるように頭痛の正確な診断と対処法が大事です。

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