■整形外科
●科の特徴など
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人間は約500万年前に二足歩行を始めたそうです。サルが時々見せる二足歩行と違って、人間の二足歩行は正確には直立二足歩行と言って、とても洗練された歩行形態です。直立二足歩行は大きな脳がある頭蓋を容易に支えることができ、器用な手を自由に使いながら歩くことができる理想的な移動形態です。このことが人間の進化に大きく貢献しましたが、その反面、直立の姿勢によって体幹や下肢、とくに脊椎と股関節に大きな負担が生じるようになりました。これが原因で人間は腰痛と股関節痛に悩まされてきました。
整形外科は人体の運動器官の病気や外傷(ケガ)を専門に取り扱う科です。背骨・手・足など全身の運動器官を造りあげている、骨・関節・筋肉・靭帯・腱・脊髄・神経の病気、外傷(ケガ)による損傷、手足などの先天性疾患(生まれつきの奇形など)を治療し研究する学問です。そして整形外科の治療は、単に病気やケガを治すだけでなく、運動機能を元に回復させることを目的とします。不幸にして運動機能の回復が十分に得られなかったとしても、残った機能を最大限に活用して、元の状態に出来るだけ近く機能を回復させることも整形外科の大きな役割であります。勿論、この際リハビリテーション医療との協力が必要なこともあります。又、運動機能の障害だけでなく、痛みを主とする疾患(俗に神経痛・リウマチなどと言われる病気)の治療を行うのも整形外科の主要な仕事であります。 |
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当科ではではさまざまな分野で低侵襲手技による手術や治療が行われていますが、とくに変形性股関節症など股関節疾患に対する低侵襲人工股関節置換術に重点を置いています。これは筋肉を一切切開しない2箇所切開法という方法で、2004年5月から行っています。
2006年8月までに、初回人工股関節置換術をこの方法で155例行い、良好な結果を得ています。この方法で手術を行うと、手術日翌日からリハビリすることが可能で、2〜3週間で退院することができます。手術後の傷痕も小さく、2箇所に残るだけでほとんど目立ちません。現在では関東地方など遠方からの患者さんも増えています。